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三題日記 -色空間、角質化、後染め-

hitabon   
2011.06.05   [三題日記]




 この日記は、ランダムに抽出された以下の3単語を元に書いています。
色空間」,「角質化」,「後染め

「今日の夕飯どう?」

 夕飯を一緒に食べに行こう、という話ではない。これは、夕食の出来具合を問うために妻から私に投げかけられたものだ。対する答えは当然慎重に成らざるを得ない。

「美味しいよ」

 一見無難に思えるこの回答。我が家では20点だ。
 それはなぜか。

 理由はたった一つ。具体性に欠ける。

 "何が美味しいのか"、これをまず言及しなくてはいけない。メインディッシュなのか、スープなのか、サラダなのか、しかし、どの料理を褒めても良いと言う訳ではないのだ。妻からすると、より一層手塩にかけて調理した一品があるかもしれない。インターネットや料理本を研究して作った一品があるかもしれない。その一品を確実に拾い上げ褒めなくてはならない。
 ここで、その一品をどう見極めるかが最大のポイントとなってくる。通常はメインディッシュを選べば良い。毎回食卓に出されるであろうご飯や味噌汁というのは、劇的な変化はあまり望めない。また時として他の品と比べて明らかに一品浮いたものがあれば、それである可能性も捨てきれない。これに関しては、各家庭の食卓事情をかえりみて経験を積むしかないだろう。
 ただ気をつけなくてはならない。「今日の夕飯どう?」。時にこれは失敗した料理の事を指して、どう感じるかを聞いているのかもしれない。味付けが濃すぎる、焼き過ぎた、味がしない、このような失敗は時として起こりうるのだ。ここで迂闊に「美味しいよ」と答えた場合は、何も考えていないという事が白日の下に晒されてしまう。
 このようなケースに対処するためには、褒めるべきか褒めるべきではないかを相手に語らせるテクニックを用いる。いつもと違う一品に対してまずこう言う。「これ、ちょっといつもと違うよね」この際、その料理の総評を相手が語ってくれればしめたものだ。「やっぱり!それ自信作なんだ」「やっぱり分かった?最後、ちょっと失敗しちゃって」。後は簡単だ。相手が話し内容に合わせて褒めるor指摘をすれば良い。このように相手の言動によってこちらの態度を変える事から、このテクニックは後染めと呼ばれている。
 また奇策として、料理の事を聞かれたにも関わらず、「何が美味しいのか」に対して「妻の笑顔」と答える手法もあるが、これは非常に高度な返しなので使用すべきではない。

 では、料理を褒めると仮定した場合、闇雲に褒めれば良いと言う訳でもない。美味しい。非常に便利な4文字の言葉であるが、その意味は非常に広い。それ故に、相手の心の奥底を突くにはその4文字では足りないのだ。その料理のどこが美味しいのだろうか。料理の素材なのか、味付けなのか、見た目なのか、香りなのか。
 これはそれほど難しい事ではない。なぜなら、ポイントは限られておりそれほど多くはないからだ。ただ室町時代から伝わる禁じて手として、「どこが美味しいか」に「料理に込められた愛情」と答える技があるが、これは非常に高度な返しなので使用すべきではない。

 ここで、どの料理がどこが美味しいか決まったとしよう。これで良いか?まだだ。もう一つ最後に付け加えなければいけない事がある。なぜ美味いのか?絶妙な塩加減なのか、美しさか、体に染み入る味なのか、素材の甘みが生かされているのか。
 これはかつてナポレオンが故郷に凱旋した際に妻といったとされるのだが「どう美味しいのか」「君がいつもそこに居てくれるからだ」と答える手法がナポレオンの辞書に載っているが、これも非常に高度な返しなので使用すべきではない。

 以上まとめると、妻の料理を褒める際は次の3点が欠かせない。
・何が美味しいのか?
・どこが美味しいのか?
・どう美味しいのか?
これは味の色空間、つまり料理を褒める3原色として学会で発表され、今も尚強い支持を受けている。

 最後に、以上の考察を踏まえた、私の実生活における妻との会話を以下に公開することにする。最近妻との関係に悩んでいる方は是非参考にして頂いて、角質化した夫婦関係の改善に役立てて欲しい。


「今日の夕飯どう?」
「あ~この焼き魚いつもと違うよね」
「え?違うって?」
「え?」
「いや、だからいつもと違うって何が?」
「いや・・・なんていうか、あの・・・いつもとこう・・・使っている?何かが?違う?とか?」
「使っている何か?いや、全ていつもと同じだけど」
「そう、、、」
「で、今日の夕飯どうなの?」
「あの・・・だから・・・あ、そうだ。こんなこと言うのも変だけど、君の料理全てというか、料理以外でも言える事なんだけど」
「うん。何?」
「君の笑顔の香りは畑の味がするね」
「は?」
「違う、そうじゃなくて。そういう事じゃないんだ。だから・・・」
「何?」
「この麻婆豆腐に込められた君の愛情とても辛いよ」
「あ?」
「そういう意味じゃなくて。からいと読むのかつらいと読むのかよく分からないけど、そうじゃないんだ。だから・・・」
「何?」
「この納豆を発酵させた香り、君がいつもそこに居てくれるからだと思うんだ」

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