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私と公園

hitabon  長男 
2010.08.06   [日記]



息子と近所の公園に行った。

今日は非常に暑い日だった。公園に生い茂る木々の緑。澄み渡る空の青。古びた滑り台の赤。
全てが太陽の光を一心に浴び、鮮やかなコントラストを放っていた。
公園には誰もおらず、四方八方からセミの声のみがただ聞こえる。
私と息子にとっては初めて訪れた公園。そこは昔から存在していた公園であろうことは壁や遊具から一目瞭然だった。
滑り台。砂場。ブランコ。

爽やかな風が全身を通り過ぎる。地面の木々の影達が踊った。
息子が何も言わずにこちらを見上げて、にこっと笑った。私もにこっと笑った。そして息子は青い小さな帽子を被り直し、一人で滑り台へと駆け上がっていった。


時。さかのぼり。

私は小さい頃、遠方に住む祖母の家に遊びに行くと、必ず近所の公園に遊びに行っていた。
滑り台。砂場。ブランコ。
私が遊んでいると祖母も一緒に遊びに来てくれた。一通り遊ぶと、祖母と一緒に公園の前の駄菓子屋に行き、お菓子、飛行機、パチンコ等を買ってもらった。
私はそれが好きだった。
公園にまた戻ると、祖母にお菓子の美味しさ、飛行機の飛ばし方を懸命に教えてあげた。私が笑うと、祖母も笑っていた。家路に着く際は、祖母に別れの挨拶をし、大事に買ってもらったおもちゃを抱えて、父の運転する車に揺られて家に帰った。祖母の家で起こる出来事は何もかも私にとって宝物だった。

時。過ぎて。

祖母は亡くなった。私が中学生の時だった。
いつも一緒に遊んでくれ、誕生日には誰よりも私の好きなものを惜しげもなく買ってくれ、私が小学生になった時、満面の笑みで喜んでくれていた祖母。
その時から、祖母の家に行くことはほとんどなくなった。そして一緒に遊んだ公園にも行かなくなってしまった。

時。さらに過ぎて。

楽しかった記憶。気を抜くと忘れてしまいそうな感覚に陥る。だが、紛れもなくあの時、あの公園で私と祖母は遊んでいた。そして、何かのきっかけで私の奥で大切に眠っている記憶が呼び起こされ、大丈夫、覚えているよ、と語りかけ、教えてくれる。


息子が、一緒にブランコをしようと大きな声を上げた。私はベンチから立ち上がり大きく背伸びをした。風はやんでいた。それでも先程より、少し暑さが和らいだ気がした。

おばあちゃん、僕は元気に暮らしているよ。

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コメント

No title

訪問履歴からきました。
 
私は5児の父です。
子どもに過去の自分を写し
父や祖父に未来の自分を見る。
過去、何度も繰り返された日常なんでしょうね


hitabonさんの書く文章のリズム、いいですね。

コメントありがとうございます。

マッキさん
コメントありがとうございます。

5児の父親とは頭が下がります。私の家はいまのところ二人だけでも、てんてこ舞いです。
自分が父親になってみて初めて、自分自身の父の事を考え直すことが何度もあります。父、もちろん母も偉大ですね。

はじめまして。

はじめまして。
足跡たどって伺いました。
文章が読みやすく、すーっと入ってきて、最初から一気に読んでしまいました。
個人的には「私と公園」「社会のルール」がお気に入りです。


読んだあとの満足感~、足跡たどって良かったです。
また伺わせて下さい^^


コメントありがとうございます。

まりもも。さん
コメントありがとうございます。

>>個人的には「私と公園」「社会のルール」がお気に入りです。
そう言ってくださると嬉しいです。私は「私と公園」が一番思い入れがあります。
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