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僕が見たアメリカの真実 -米人は何故身体つきが良いのか理解した時、僕は血の涙を流した-

hitabon 
2013.02.13   [日記]



 アメリカは肉の塊で出来ている。誰かがそう言っていた。

 アメリカのホテルに無事到着し、一息付いた僕は、日もだいぶ傾いてきた事もあり、夕食を摂るため、街へと一人繰り出した。

 夕飯は、50ドルまで会社が負担してくれる事になっていた。余程の暴飲暴食をしない限りは、自腹を切ることはない。僕は何を食そうか、ネオンが輝くレストラン街を、カメレオンのような目つきで物色していた。

 今夜は、初めてのアメリカでの夜なのだ。この広大な大地と、今宵初夜を迎える僕にとって、この食事は、予てより非常に心躍らせるものであり、これからアメリカで生活していく上での、大事な一歩になる。僕の体は何を今、望んでいるだろうか。魚か、野菜か、パンか。どれも的はずれだ。アメリカと言えば、もう肉だ。これしかない。本日の夕飯は、巨大な肉の海の中で、思う存分、肉汁に溺れ、深いタンパク質の底へと沈んで行きたかった。

 目の前に、グリルと書かれた看板が、厳かに、そして静かに、青い光を放っていた。ここだ。ここで肉を食べれるに違いない。僕は車を停めると、店の中に流れ込んだ。

 店に足を一歩踏み入れると、目の前に受け付けのカウンターがあり、ブロンド色の綺麗な髪をなびかせた女性が、僕の事を待っていた。

 僕は、人差し指を一本出し、ようやく返ってきた主人を迎え入れる子犬のように、わん、わんと、自分は一人で来店しており、何ならばこの後予定はない事を、彼女に必死に伝えた。彼女は笑顔で、僕を店の奥へと通してくれる。

「How are you?」

 中学生の時に習った英語で、彼女が尋ねてきた。さすがアメリカだ。何か分からないが、フランクだ。

「あいむ ふぁいん さんきゅう(訳:私は元気です、産休中ではありません)」

 僅かな動揺を必死に抑えこみ、僕は極めて自然に、愛犬にペディグリーチャムと納豆ご飯を与えたら、前者の方に当然食いつくように、いや、ペディグリーチャムを与えた事がないのでよく分からないが、兎に角、僕は彼女に笑顔で返答した。

 僕が通された席は、アンティーク調な木製のクラシックなテーブル、椅子が揃えられており、ロウソクの灯りがその木目を揺らしていた。彼女はすぐに僕にメニューを渡すと、また受付に戻っていった。

 メニューは英単語のみであった。写真は一切なく、正直何の料理か分からないものが、ところどころに見受けられた。ただそんな状況においても、ステーキはどれであるかだけは、容易に判別できた。僕は、とりあえず30ドルの一番高いステーキと、それだけでは物足りないかもしれないと思い、6ドルのオニオンリングと書かれた料理を頼んだ。

 料理を待つ間は、周りの客の様子を伺ったり、アメリカ国歌の出だし部分のみを、何度も花唄でリピートさせていた。

 だいぶ待たされた。30分は待ったと思う。いい加減、出だしより先の部分を歌いたくなったため、隣に座っているアメリカ人の婦人に聞いてみるか迷っていたところ、それは来た。

ソフトボールを真っ二つにした大きさの、黄金色の丸いものが7つ、ピラミッド型に積まれているものが、ごつりと木製のテーブルに着地した。

「Enjoy!」

心なしか半笑いのウエイトレスは、そう僕に声をかけてくると、再び厨房に下がっていった。

 さすがアメリカだった。スケールが違う、しきりにそう関心したが、落ち着いて考えると、6ドルもするオニオンリングとなると、さすがに金額的な観念から照らし合わせると、こうなるであろうことは、想像しえる事態だったかもしれない。まずは食べてみないと、始まらない。僕は、皿の上に鎮座していた一つを、フォークで付き持ち上げると、口の中に運んだ。

 すると、どうだろう。日本で食べていたオニオンリングとは、全くの別物だった。口の中に広がる、なんと表現するべきか、夏場の太陽が降り注ぐ炎天下の中、永遠と肉体労働をさせられているような、このずしりと胃の中に広がる、油。アブラ。あぶら。一緒にソースもついていたが、この程度の味付けのソースでは、このヘビー級のパンチには勝てる訳もなく、味がしない、というか、油の味がする。

「ふむ…」

僕は、フォークを置いた。そして、冷たい水を流し込んだ。うん、一個の半分も食べられる気がしない。僕は、そのままステーキを待った。

 そして今日の主役がやって来る。再び「Enjoy」という言葉と共に、それはサーブされたのだが、どうした事だろう。僕のステーキは今まで酒でも飲んでいたのか、えらくその顔つきが赤かった。「あれ、これ食べても大丈夫な系?」、日本なら、間違いなく第一声にそう発しただろうが、ここはアメリカだ、ここではこの位の肉の焼き加減が普通…「店内が薄暗いけど、僕のステーキの焼き加減、判別できてた?ねえ?大丈夫だった?」…大丈夫なのだろう。

 今、写真で見なおしてみると、驚くべき程の赤さなのだが、実際にはそれほど赤くはなかった、少なくともその当時はそう思い込む事にしていた。ただ、紆余曲折はあったものの、ステーキに関しては、実際に口に入れてみると、中々の味だった。これがアメリカ。
 良くも悪くも、印象に残る、僕の初めての夕食となった。

いよいよ明日は、アメリカのお客様の元に出むかなくてはならない。



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