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僕と息子の「ルパンVS複製人間」実況録

hitabon  長男 
2011.09.03   [日記]


どっぷりと外は夜につかり、近づきつつある台風が風を唸らせ、アパートの硝子窓を激しく叩きつけていた。

「ほら、お母さんと一緒に寝るよ、おいで」

3歳の長男と、1歳の次男に向けて、リビングで妻が声を挙げる。時刻は21:30頃。1歳の次男は眠気に押されながら、自ら寝室へとよたよた歩き出した。
だが、

「いやだ、もうちょっと起きている!」

長男が一人、反対した。

「分かった。じゃあ、お父さんとTV見ててもいいから。お母さんは、次男を寝かしてくるからね」
「は~い。じゃあ、何を見ようかな?」

妻は次男と共に寝室へと去り、長男はわくわくした顔でこちらに尋ねてきた。

「う~ん、そうだなぁ」

私は、TVのリモコンを手に取ると、チャンネルの番号の若い順から画面を切り替えていった。

「あ、僕、これがいい」

映画ルパン三世が映し出されたところで、長男は声をあげた。

「う~ん、長男にはおもしろくないかな・・・そもそもルパン三世知らないだろうし・・・」
「僕、ルパン知ってるよ!」
「え、どうして知ってるの?まさか知ってるとは思わなかった」
「えっとね、じいとばあのお家に、ルパンの車のおもちゃがあるの」
「ほう、そうだったんだ。よし、じゃあルパンを一緒に見ようか」

こうして僕と長男のルパン三世「ルパンVS複製人間」鑑賞会が始まった。


■ルパンがピラミッドから脱出するシーン
見始めたのが、ちょうどこのシーンだった。
ピラミッド中部から地上に向けて張られた細いロープの上を、ルパンと次元がバイクで走り降りる。
その後を銭型警部が追う。

車やバイクなど乗り物好きな長男にとっては、心躍るシーンのようだ。

「すごいね、あんな細いところバイクで走るんだ。かっこいいね、ね、お父さん?」
「るぱ~ん逮捕だ~」
「もし僕がバイク乗ったら、あんなとこ落っこっちゃうよ」
「るぱ~ん待て~」
「いいなぁ、バイク。僕も乗ってみたいなぁ」
「るぱ~ん・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・物まね似てなかった?」
「・・・バイク」

■峰不二子がシャワーを浴びているお色気シーン

「・・・」
「・・・」
「お・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」

■賢者の石をルパンが峰不二子に川辺で盗られるシーン

「ねえ、お父さん。ルパンはなにやってる人なの?」
「何って、ルパンは泥棒なんだよ」
「へぇ、泥棒っていいの?かっこいいの?」
「窃盗ダメ。絶対ダメ。人のものを盗っちゃいけないよね」
「うん、じゃあこれは悪い映画?」
「そこは難しいところだね。いいかい、世の中は正と負の2面性を持っているんだよ。ルパンは確かに泥棒。それはよくないことだ。でも、なんだかんだで、いい人だったりもするんだよ。だからね、そのギャップを楽しむというか、非現実世界において、日常の抑圧された人々の欲求がパトスとして深層心理から湧き上がる時にだね、」
「なんか、よく分からない」
「簡単に言うと、お母さんは機嫌が良くない時がたまにあるだろ?それでも、お母さんなんだ。」
「ふぅん、なんか、分かった気がする」
「ついでに言うと、女性の外見に惑わされではだめだぞ」
「外見って?」
「みためだ。ほら、ルパンを見てろ。いま、不二子ちゃんに騙されるぞ。ほら・・・いまだ」
「あ~ルパンがなんか盗られちゃったね」
「だろ?見た目がいい人にほいほいついていくと、こんな酷い目にあうんだ。よく覚えておきなさい。外見のみてくれなんて、何の意味もないんだ。外見で人を選んじゃいけないぞ」
「は~い」
「で、でもな・・・外見だけの彼女でも、そんな彼女できたら、ちょっとお父さんに紹介しろよ」
「は~い」

■オープンカフェでルパン、次元、五右衛門が座っているところに、突如ヘリが乱入。

「おお、見て見て!なんかヘリコプターきた」
「ほんとだ」

すると、ヘリが突如銃を乱射しだす。ルパンの周りにいた一般人も巻き添えになってしまう。
銃で撃たれた人が激しく後方に吹き飛ぶシーンが続く。
まだ幼い長男にとって、教育上、良くないのではと感じた。

「なにこれ。お父さん、これ何が起きてるの!?」
「おお、すごいね、ほんと凄いわ、このバク転」
「え?バク転?」
「見たことないか?体操の一種で、後にくるっと回るやつだ」
「みんなバク転してるの?」
「そうだよ、ここのカフェにたまたま居合わした体操のオリンピック選手達が、突如練習を始めたみたいだ」
「え?練習を?・・・あのヘリコプターは何?」
「ああ、見てろ。あのヘリコプターについている丸い筒が光ると・・・」
「うん・・・光ると・・・?」
「はい、バク転。はい、こっちもバク転。でもって、ちょっと側転」
「ふぅーん」
「あの丸い筒がスタートの合図だ。丁度いま、オリンピック選手の強化合宿中みたいだな」
「ふぅーん」
「・・・こういう説明じゃ嫌?」
「・・・いいんじゃない」

■ルパン、次元、五右衛門が乗っている小型車が、超巨大なトレーラーに峠で追いかけれらるシーン

「でか!お父さん見て!すごいでっかいね、この車」
「そうだな。なんか縮尺がおかしいんじゃないかって思えるくらいだね」
「あ、でっかいトラックが崖の下に落ちる。あ~落ちる~落ちる~」
「お、見てみろ。なんとか落ちないで、這い上がってきたぞ」
「おお、すごいね。お父さんもあんな運転できる?」
「は?誰にそんな事聞いてるの?お父さんなら超余裕。むしろ車使わずに、走ってルパン達を追いかけてやるよ」
「いや、そんなこと僕聞いてないでしょ」
「はい・・・」

■ルパンと峰不二子が二人きりで小さな廃屋で一晩過ごすシーン
お約束どおり、ルパンが峰不二子に襲い掛かる。

「お父さん。ルパンは何をしようとしているの?」
「これはだな、日常の抑圧された人々の欲求がパトスとして・・・」
「その説明はもういいよ」
「ルパン、さっきからパンツだけだよ。風邪ひいちゃうよ、寒くないのかな」
「これから存分に熱くなるから、いいんだよ、うふふ。ってコラ。変なこと言わせないの」
「いや、僕は何も・・・お父さんもあんな事するの?」
「ば、ばばばば、ばかな事を言うんじゃない。お、おとうそんはそんなことしゅるわけないじゃないか」
「ふ~ん」

■そしてこれまたお約束通り、ルパンが襲う直前で、峰不二子に仕組まれた睡眠薬が効き、ルパンは眠りにおちる。

「あ~あ、ルパン、固まって寝ちゃったね。お父さん、ルパンは眠たかったの?」
「いや、そうじゃないんだ。そういうことではないんだ」
「う~ん、じゃあどういう事?」
「うまくは説明出来ないんだけど、こういうのって、よくあるんだ。お父さん、このやるせなさ、よく分かる・・・」
「ふ~ん。どういう事なんだろ」
「日常の抑圧された男性の欲求がパトスとして・・・」
「だから、それはもういいって・・・ふぁ~あ」
「お、どうした?」
「なんか僕も眠くなってきたよ」
「よし、じゃあもう寝るか」
「うん」

長男は立ち上がり、寝室へ向かって歩き出す。

「あ、長男。最後に大切な事を教えておく。いいかい、よく覚えておくんだぞ」
「うん。何?何?」
「むかし、ウッチャンとちはるが『マモー・ミモー野望のテーマ』っていう歌を歌っていた」
「何それ??」
「まあいい。Good Night My Son」
「Good Night Daddy」

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コメント

どうしましょう…

タイトル見た瞬間、頭をよぎったのが
『マモー・ミモー』だったのに…


(^_^;) 本当にソコにオチが来てました!!!!!

コメントありがとうございます

ナイトイーグルさん
>>タイトル見た瞬間、頭をよぎったのが『マモー・ミモー』だったのに…
今となっては、あの当時『マモー・ミモー』がどの位、有名だったか記憶にないのですが、覚えていた方がいて嬉しいです。
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