オレオレ詐欺との対決

その事件は、ある昼下がり、一本の電話から始まった。
私「はい、もしもし」
相手「もしもし?俺だよ」
私「うん?俺?」
相手「そう、俺だよ、息子だよ。ちょっと本当に困った事になってさぁ…」
私「え?息子?どうも声が違うような気が…」
相手「ちょっと風邪引いててさ。」
いつもと違う帰り道を歩く

時には帰り道を変えてみると良い。未だ出会う事がなかった何かに、あなたは遭遇する事が出来るかもしれない。
ある晩の事だ。暗く小さな路地に入って行った。日頃、私が目にしている、煌びやかな街並みとは異なる、暗く湿った空気が、其処等中に籠っていた。
私はそんな事には構わず、そのなか果敢に掻き分け歩いた。普段は只々喧しいだけの、自動車ののた打ち回るような騒音も、ここに至るに、妙に恋しくなってくる。鼠色をしたびるとびるによって、街のぼりうむは次第に落とされ、いつもと変わらぬのは、びるの隙間からその姿を微かに覗かせる、薄っぺらな月だけとなった。
さあ、起きなさい

「おきなさい。 おきなさい わたしの かわいい hitabonや……。」
「おはよう hitabon。 もう あさですよ。きょうは とても たいせつなひ。 hitabonが はじめて おしろに いくひ だったでしょ。
このひのために おまえを ゆうかんな おとこのこ として そだてたつもりです。」
街は春先に笑いで溢れて

その首をだらりと垂らしたかのように、春の肌触りが実感できるようになる頃、"笑い"というものが、またやって来る。私の細胞の僅かな隙間から体内に入り込み、私の中で居心地の良い宿を見つけると、私はそれに反応し、途端に笑い転げる。
究極の神経衰弱『6枚限定神経衰弱』を知っていますか?

今回は、私と長男との間の、熱い闘いについて記さなくてはならない。
毎晩20:00を過ぎると、薄汚れた我が家のアパートの片隅で、それは催される。意地、プライド、名声、それら全てを、僅か数ミリのカードに託し、親子でぶつかり合う、記憶力の格闘技。
それは
神経衰弱。
我が家の神経衰弱は、通常のそれとは大きく異なる。
我が家の神経衰弱は、
「6枚限定神経衰弱」(ざわ…ざわ…)
使用するカードは、たった6枚。同一数字のペア2枚を、3組用意する。3組同士の数字は異なっていなければならない。要は、3組のみで神経衰弱を執り行う。ご推察の通り、勝負は一瞬で決する。通常の神経衰弱は、使用カードが多すぎるために、勝負時間か掛かりすぎる。そのために考え出されたのが、この「6枚限定神経衰弱」なのだ。ただ、6枚がゆえに勝負は非常に濃密かつ熾烈なものとなる。ほんの些細な判断ミスが、即刻負けに繋がる。何重もの策略を張り巡らせ、敢えて泥にまみれ、罵倒され、そしてようやく、もぎれ取れるのが、勝利。
今回は、このおぞましき勝負の世界を、皆さんにもご覧頂こう。




